楽天市場に出店している店舗はどうやって売れる商品を探している?
楽天市場には、毎日多くのユーザーがアクセスをするため、その分収益を上げる期待が高くなります。
しかし、楽天市場に出店しただけでは収益を上げることはできず、むしろ出店後に施策を行うことが重要です。
収益を上げるための要素のひとつとして、売れる商品の掲載が挙げられますが、店舗はどのように探しているのでしょうか。
本記事では、楽天市場に出店している店舗はどうやって売れる商品を探しているのかについて解説します。
ツールを使用する
楽天市場で売れている商品を調べるには、検索結果やランキングを確認する方が多くいらっしゃることでしょう。
しかし、店舗数が多いことから、同時に膨大な商品群から見つける際には多くの時間と労力を使ってしまうものです。
そのため、多くの収益を上げている店舗のなかには、ツールを使用して売れている商品を探しているところがあります。
ツールを使用することで、市場分析ができたり、現在の楽天市場内でのランキングなどを知ったりすることができます。
一般的に、検索結果の上位に表示されているような商品は、ユーザーとの接触回数が多いため、収益につながりやすいものです。
また、ランキングと連動して、指定期間内でどれだけの売上を上げられているのかも確認することができます。
しかし、これらのツールのほとんどは月額で有料となっています。
ツールを提供している企業は、システムのアップデートやエラーの改善などを行うために、多くの社員を雇用します。
ツールの使用によって発生した利益の大半は、人件費に使われているのです。
毎月ランニングコストを支払わなければならない点はデメリットですが、常に最新状態のツールを使えるメリットでもあります。
上記の理由から、売れている商品を探すためのツールは出店初期から運営中まで、さまざまなフェーズで活用されています。
キーワードを見つける
楽天市場の検索結果からアクセスと収益を獲得するためには、ユーザーが検索しそうなキーワードに対応したページ作成が重要です。
たとえば、Tシャツが欲しいユーザーは「Tシャツ」単体ではなく、「Tシャツ サイズ」や「Tシャツ 色」のように調べます。
上記のように検索すると、楽天市場の検索エンジンがそのキーワードにマッチしたページをユーザーのデバイスに表示します。
キーワードのなかには、指定期間内に検索する回数が多かったり少なかったりするものがあります。
ここで重要となるものが、検索される回数はもちろんですが、キーワードと商品が合っているのかが挙げられます。
たとえば、「Tシャツ 赤 XL」と検索した際に検索結果に緑色のTシャツが表示されると、ニーズは満たせません。
その結果、ユーザーの楽天市場に対する期待値が下がってしまうため、楽天市場離れが進行してしまうのです。
上記より、楽天市場で商品を出品する際には、商品に合ったキーワードを設定することが重要です。
キーワード選定のコツとしては、先述の通り「Tシャツ」単体ではなく、下記のように複数のキーワードを組み合わせることです。
- Tシャツ Sサイズ
- Tシャツ 赤
- Tシャツ ラグラン
- Tシャツ 芸能人着用
- Tシャツ 限定
これらのキーワードで収益を得られなかった場合、ページ内に記載されている情報やキーワードの変更により改善が可能です。
RMSを参考にする
楽天市場を運営する際には、(Rakuten Merchant Server)を利用することになります。
RMSは出品管理だけではなく、売り上げの管理やユーザー行動も調べることができます。
キーワードについては、「データ分析>アクセス・流入分析>楽天サーチ」で見ることが可能です。
こちらの項目では、店舗を訪問したユーザーが何を求めて、どのようなキーワードで流入したのかが分かります。
実店舗とは異なり、ユーザーと話すことができない店舗にとって、RMSはユーザー情報を取得できる重要なツールなのです。
ここで確認できる要素は、下記になります。
- 検索キーワード
- アクセス人数
- 割合
ここでいう割合とは、検索キーワードで表示された回数に対してアクセスしたユーザーの割合です。
たとえば、特定のキーワードで1,000回表示されて300回アクセスがあった場合、割合は30.0%となります。
楽天市場に関わらず、ECモールで売り上げをあげるためには下記の方程式に則らなければなりません。
- 売上 = アクセス人数 × 転換率 × 客単価
たとえ客単価が低い商品でも、アクセス人数と転換率を高くすれば売り上げを上げることができるのです。
また、アクセス人数が多くても転換率が低かった場合、期待しているような収益を得られない可能性があります。
このように、アクセス人数は楽天市場で収益を上げるために重要な要素といえます。
アクセス人数を増やすためには、ユーザーが検索しそうなキーワードを知る必要があり、そのためにRMSを利用します。
競合店舗をリサーチする
楽天市場で競合他店舗に売り上げで勝つためには、競合店舗が取り扱っている商品を真似することが挙げられます。
そのためには、自社にとって正しい競合店舗を設定することが重要です。
楽天市場のなかには、売れる商品ばかりを集めたような店舗もありますが、商品ページは「浅く広い」ことが多いのです。
そのため、競合店舗をリサーチするためには、下記のフレームワークを使用して競合を定めましょう。
3C分析
顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)の3要素から分析する手法です。
顧客はニーズや購買行動、検索キーワードを調べます。
競合については商品ラインアップや価格設定、実施している集客方法などを確認しましょう。
自社については現状の自社の状況を書き出すことで、強みや弱みを理解することができるのです。
SWOT分析
SWOT分析とは、下記4つの要素で自店舗と競合店舗を比較する際に使用するフレームワークです。
- 強み(Strengths)
- 弱み(Weaknesses)
- 機会(Opportunities)
- 脅威(Threats)
自社商品の独自性や改善点を見つける際にも用いることができるほか、新規顧客の開拓にも用いられることがあります。
コホート分析
コホート分析とは、特定の期間においてグループ化されたユーザーの行動パターンを分析する方法です。
楽天市場ではプロモーションやイベントが多く開催されるため、その際のユーザー行動を把握することができます。
また、市場やユーザーのニーズ変化を把握することも可能であることから、さまざまな場面で使われるフレームワークです。
ECコンサルタントに相談する
楽天市場では、ショップを出店した際に運営をサポートするコンサルタントが付きます。
ECコンサルタントには無料で収益向上に関する、下記のようなさまざまなサポートを受けることが可能となります。
- 広告の選定
- 販売の提案
- SEO対策
- ページの修正提案
- イベントやお得な情報の告知
- 新機能の導入連絡など
このなかには、競合他店舗でよく売れている商品を教えてくれることも含まれています。
しかし、ECコンサルタントは人である以上、横柄な態度で接していると情報を提供してくれないことがあります。
多くの収益を得ている店舗は、ECコンサルタントと良好な関係を構築している可能性が高いです。
良好な関係を構築できると、本来では知りえない情報を知れるため、情報アドバンテージで差をつけることができます。
このように、さまざまな方法で楽天市場で売れている商品を探すことができます。
しかし、収集した情報は活用しなければ収益につながりません。
売上を上げられない店舗のなかには、情報を収集することが目的と化してしまっているところがあります。
得た情報を最大限に活用して、競合店舗に差をつけましょう。
まとめ|情報が収益を上げるための最大の武器である
今回は、楽天市場に出店している店舗はどうやって売れる商品を探しているのかについて解説しました。
楽天市場では月間5,000万人程度のユーザーが利用していることから、多くの商品が出品されています。
そのため、そのなかから売れている商品を探すことは非常に多くの時間と労力を使うものです。
下記が、楽天市場において売れている商品を探すための方法です。
- ツールを使う
- キーワードを見つける
- RMSを参考にする
- 競合店舗をリサーチする
しかし、これらを駆使して情報を収集しても、利用しなければ宝の持ち腐れとなってしまいます。
また、情報は逐一更新されるため、得た情報が古くなっている可能性も否定できません。
これらより、楽天市場において売れる商品のリサーチは、継続的に続けなければならないものといえます。