楽天市場で赤字を防ぐために「損益分岐点」を理解しておこう
楽天市場に限らず、ビジネスや商売を行っている方は売り上げや利益を常に追い求めるものです。
一見、売り上げが好調でも、低粗利でサービスを提供している場合はその企業に残るお金は少なくなります。
そのため、楽天市場においても「自店舗はいくら売り上げれば黒字になるのだろう?」ということを理解することが重要です。
本記事では、楽天市場で赤字を防ぐために押さえておくべき「損益分岐点」についてご説明します。
「損益分岐点」とは?
損益分岐点とは、事業において売り上げと経費が同じ金額で、利益が0になる金額を指します。
経費については毎月変動する変動費と、家賃など一定の金額がかかる固定費に分けられます。
月額家賃が100万、仕入れ価格が5,000円、販売価格が10,000円のお店を例に見てみましょう。
こちらの場合、売り上げが0円の場合、月額家賃である100万円をそのまま支払わなければなりません。
100万円を売り上げるためには(売り上げ10,000円-仕入れ5,000円=)5,000円の利益で、200個売る必要があります。
商品ひとつあたりの仕入れ値が5,000円であることから、こちらが変動費に分類されます。
下記は、損益分岐点を達成するために売らなければならない商品数の計算式です。
100万円/月÷(販売価格10,000円/個-仕入れ価格5,000円/個)=200個/月
つまり、こちらのお店では毎月200個の商品を販売しなければ、損益分岐点を割ってしまい赤字になります。
楽天市場における損益分岐点とは?
楽天市場においては、下記のようにプランごとで月額費用が発生するため、こちらが固定費になります。
がんばれ!プラン | スタンダードプラン | メガショッププラン | |
対象者 | ネットショップ運営のご経験が少ない事業者様におすすめ! | 目標月商が約140万円以上の事業者様におすすめ! | 商品数や画像量が多く必要な事業者様におすすめ! |
月額費用 | 19,500円 | 50,000円 | 100,000円 |
支払方法 | 年間一括払い | 半年ごとの2回分割払い | 半年ごとの2回分割払い |
契約期間 | 1年 | 1年 | 1年 |
登録可能商品数 | 5,000商品まで | 20,000商品まで | 無制限 |
画像容量 | 500MBまで | 5GBまで | 無制限 |
システム手数料 |
パソコン 3.5%~6.5%
モバイル 4.0%~7.0% |
パソコン 2.0%~4.0%
モバイル 2.5%~4.5% |
パソコン 2.0%~4.0%
モバイル 2.5%~4.5% |
変動費については、システム手数料や商品を仕入れた際に発生する原価などが含まれます。
それぞれのプランで、仕入れ価格が500円、販売価格が1,000円の場合、いくつ売らなければならないのでしょうか?
がんばれ!プラン
- 固定費 :19,500円
- 変動費 :パソコン5%+モバイル7.0%で計算
→1,000円×6.5%+1,000円+7.0% =135円/個
- 損益分岐点 :19,500-(1,000-135) =22.54…
上記より、毎月23個販売することで、赤字を脱却することができます。
スタンダードプラン
- 固定費 :50,000円
- 変動費 :パソコン0%+モバイル4.5%で計算
→1,000円×4.0%+1,000円+4.5% =85円/個
- 損益分岐点 :50,000-(1,000-85) =54.64…
上記より、毎月55個販売することで、赤字を脱却することができます。
メガショッププラン
- 固定費 :100,000円
- 変動費 :パソコン0%+モバイル4.5%で計算
→1,000円×4.0%+1,000円+4.5% =85円/個
- 損益分岐点 :100,000-(1,000-85) =109.29…
上記より、毎月110個販売することで、赤字を脱却することができます。
このように、プランが上がるほど固定費が上がるため、販売しなければならない数量が多くなるのです。
なかには、少ない商品数で多額の利益を獲得している店舗もあります。
しかし、多くの業種では売り上げを上げるために複数の商品を掲載しなければなりません。
多くの収益を得るためには、プランを上げなければならないこともあるため、損益分岐点の観点から検討しましょう。
収支を改善するための対策
楽天市場で損益分岐点を超えて、収支を改善するためには下記の方法を採用しましょう。
集客力を上げる
楽天市場で収益を上げるためには、多くのユーザーを集める必要があります。
新規顧客を集めて、リピーターを増やすことで安定した収益の獲得が可能となるのです。
集客方法のなかには検索結果の上位表示を目指すSEO対策や、文章・画像などで表示する広告運用などがあります。
利益が高い商品を取り扱う
損益分岐点を改善したいという観点では、利益が高い商品を取り扱うことも対策のひとつです。
仕入れ価格が抑えられており、販売価格が高い商品は高利益を狙うことができます。
ただし、そのような商品はほかの店舗も注力しているため、価格競争に巻き込まれる可能性があります。
ブランディングを行う
楽天市場では、RMSを利用することで独自の店舗を構築することができます。
「この店舗はオシャレ」「この店舗は品切れがない」といったことは、ユーザーにとってブランディングとなるのです。
そのため、店舗デザインや管理体制などを見直すことでファンを育成し、より多くの集客を狙うことが対策になります。
これらは店舗の戦略や考え方によって、取り組むべき内容が異なります。
競合店舗などを確認し、自店舗にはどのような施策が有効なのかなどを検討しましょう。
まとめ|黒字店舗を目指そう
今回は、楽天市場における損益分岐点の考え方についてご説明しました。
損益分岐点とは、事業において売り上げと費用が同じ金額で、利益が0になる金額を指します。
楽天市場では、プランごとに月額費用(固定費)と手数料(変動費)が発生するため、事前に計算しておきましょう。
黒字化のためには集客力を上げる、利益が高い商品を取り扱う、ブランディングを行うことが重要です。
「売り上げが上がらない…」と感じた方は、損益分岐点をさげられるように店舗の見直しなどを実施しましょう。