楽天市場のコンサルティングとは?導入の検討時に知っておきたいこと
楽天市場は、年間利用者が5,000万人を超えている、日本の主要なECモールのひとつです。
多くの利用者がいることから、モール内には多くの店舗が在籍しています。
その中で売り上げを上げようとしても知識がないと限界があるため、その際には楽天市場のコンサルティングサービスを利用する方・企業がいらっしゃいます。
今回は、楽天市場のコンサルティングサービスについて、導入を検討する際に知っておきたいこととあわせてご紹介します。
楽天市場のコンサルティング・運営代行とは
楽天市場のコンサルティングサービスとは、ECや通販のコンサルティングサービスなど楽天市場の運営に関するサービスです。
楽天市場から各店舗に配属されるコンサルタント(ECC)のほか、楽天以外の企業が提供しているコンサルティングサービスなど、さまざまな種類があります。
いずれの業者でも、目的は「店舗様の売り上げを上げる」ということであり、そのためには何をするべきなのかをアドバイスします。
楽天市場で売り上げを上げるための方法として、楽天市場内のSEO対策や広告運用・消費者が購入したくなるクリエイティブの制作を行うなど、多くの手法があります。
どの店舗でも同じような対策をすれば売り上げを上げられるわけではなく、コンサルタントは店舗ごとの特徴を理解して指導します。
コンサルティングサービスと似た運営代行サービスというものも存在します。
楽天市場の運営代行とは、下記のような作業を代行することが挙げられます。
- サイトの更新
- 商品登録
- バナーや画像の作成
- お買い物マラソン、楽天スーパーセールなどの規格ページの作成 など
運営代行は固定報酬・成果報酬があり、固定報酬の場合、収益が低いころに依頼すると赤字になってしまう可能性が高いため、一定の収益を得てから利用する方が多いです。
一方、店舗の開業前後にはさまざまな課題があるため、コンサルティングについては初めからお世話になるような店舗があります。
このように、楽天市場のコンサルティングや運営代行は、自社にあったサービスを選択することが重要といえます。
運営代行と楽天市場のECCとの違いは?
一方、楽天市場にはECCと呼ばれる人がいます。
ECCは楽天市場に店舗を開業した際に担当してくれる、楽天の社員を指すものです。
役割は店舗の売り上げを上げることですが、広告の販売営業も業務内容に含まれているため、しばしば広告の提案をします。
注意点として、ECCと操作サポートの窓口は別となっているため、質問は別の場所で行う必要があります。
下記、楽天市場のコンサルタントとECCの違いです。
専属・非専属
楽天以外の企業が提供している楽天市場のコンサルタントは専属のスタッフがお客様の対応を行います。
専属で担当することでコミュニケーションがスムーズになるほか、お客様の意図をくみ取りやすくなります。
また、不明点や質問などがある際にコンサルタントに相談すると、納得するまで話をできます。
一方、ECCはひとりで数十社から百社程度の担当を持つことから、完全に専属というわけではありません。
ひとりで多くの案件を抱えていることから、ECCに相談してもサポート時間が短くなる傾向にあり、十分な対応を受けられないという方もいらっしゃいます。
上記より、楽天以外の企業が提供している楽天市場のコンサルタントのほうがより具体的な提案や改善案、サポートを受けることができるといえるでしょう。
依頼できるサービス
先述の通り、楽天以外の企業が提供している楽天市場のコンサルタントはサポートやアドバイスのほか、運用代行も依頼できます。
それぞれ別途費用が必要になりますが、費用対効果の観点から依頼する・依頼しないといった選択が必要です。
特に、楽天市場で多くの売り上げを上げられる楽天スーパーセールなどの準備をほぼ丸投げで対応してもらえる点はメリットといえます。
一方、ECCはあくまでアドバイスやサポート、広告運用の提案がメインとなるため、運用代行までは任せられません。
もちろん、自分で店舗を運営することでノウハウを蓄積できるというメリットはありますが、手が空かない状況もあることでしょう。
お客様は受発注処理だけではなく、商品の梱包や発送、事後処理などを行わなければならないため、手が空きにくいものです。
これらのことから、楽天以外の企業提供している楽天市場のコンサルタントのほうがECCよりも利便性が高いサービスを提供しているといえます。
楽天市場の出店プラン
下記にて、楽天市場の出店プランをご紹介します。
がんばれ!プラン | スタンダードプラン | メガショッププラン | |
対象者 | ネットショップ運営のご経験が少ない事業者様におすすめ! | 目標月商が約140万円以上の事業者様におすすめ! | 商品数や画像量が多く必要な事業者様におすすめ! |
月額費用 | 19,500円 | 50,000円 | 100,000円 |
支払方法 | 年間一括払い | 半年ごとの2回分割払い | 半年ごとの2回分割払い |
契約期間 | 1年 | 1年 | 1年 |
登録可能商品数 | 5,000商品まで | 20,000商品まで | 無制限 |
画像容量 | 500MBまで | 5GBまで | 無制限 |
システム手数料 |
パソコン 3.5%~6.5%
モバイル 4.0%~7.0% |
パソコン 2.0%~4.0%
モバイル 2.5%~4.5% |
パソコン 2.0%~4.0%
モバイル 2.5%~4.5% |
また、全プラン共通で下記の費用が必要となります。
初期登録費用 | 60,000円 |
楽天ポイント | 楽天会員の購入代金(税抜き)×付与率(通常1.0%) |
楽天スーパーアフィリエイト | アフィリエイト経由売り上げの2.6~5.2% |
モールにおける取引の安全性・利便性 向上のためのシステム利用料 |
月間売上高の0.1% |
R-Messe | 月額固定費:3,000円~ |
楽天ペイ利用料 | 月間決済高の2.5%~3.5% |
コンサルティング・運営代行に委託できる業務
楽天市場のコンサルティングを提供している企業は多くあり、サービス内容はさまざまですが一般的には下記を対応してもらえます。
戦略の設計・企画の立案
楽天市場の運営に関わらず、ビジネスを行う際には戦略の設計や企画の立案が重要となります。
どのような商品を、どのようなお客様に購入してもらいたくて、目標金額はいくらなのかなどを考えなければなりません。
楽天市場での収益化に失敗する方は、この戦略の設計や企画の立案が十分ではなかった方がいらっしゃいます。
下記は、戦略の設計や企画の立案の際に検討する項目です。
- 楽天市場におけるゴール
- ゴールを実現するまでの期間
- ゴールを実現するための方法
- 優先事項
- 取扱商品、ターゲットの選定
特に考えていない方が多いのが、「ゴールを実現するまでの期間」です。
期間が設けられていない場合、どうしても中だるみや怠惰といったネガティブな要素が入ってきてしまいます。
これらを検討する際には、下記の情報を仕入れておきましょう。
市場調査
楽天市場には日用品や家電など、さまざまなアイテムを取り扱っている店舗があります。
しかし、多くの店舗は幅広いジャンルを取りそろえているのではなく、特定のジャンルに絞って運営しているものです。
家電に特化している店舗や、ファッションに特化している店舗など、その選択肢は多岐にわたります。
そのため、自分はどの市場で勝負するのか、その市場規模の推移や金額などを理解しておく必要があるのです。
あえてレッドオーシャンで勝負するのか、ニッチなブルーオーシャンを狙うのかなどは、経営者の判断にゆだねられます。
顧客分析
顧客分析も市場調査に含まれている要素ですが、その市場にはどの程度のお客様がいるのかを知ることが重要です。
需要が高い市場では多くのお客様がいますが、同時に多くの競合店舗がいるため、価格競争に陥って収益が減る可能性があります。
一方、ブルーオーシャンは競合が少ないですが、その分お客様が少ない傾向にあるため、収益に限界があるものです。
これらの要素を考慮して、ターゲットを選定することは戦略の設計・企画の立案においてはとても重要な要素です。
また、分析した顧客の年齢や性別などを参考にして、商品選定だけではなく店舗の雰囲気なども検討しなければなりません。
競合分析
市場や顧客を調査したあとは、ライバルとなる競合店舗の調査を行いましょう。
下記、競合調査を行う際に調べておくべき要素です。
- 競合店舗の売り上げ
- 取扱商品数、メーカー
- 店舗の雰囲気
- 想定されるターゲット など
これらを考慮して、どのようなモールにしたいのか、どのようなお客様に来てほしいのかを検討します。
また、収益が高い競合店舗をベンチマークとして、良いところを取り入れることも立派な戦略です。
自社分析
戦略の設計や企画の立案の際には市場や競合だけではなく、自社の分析も怠ってはなりません。
店舗によって強みや弱みが存在しており、それは自社も例外ではないので、入念に分析しましょう。
これまでの売り上げや売れた商品、購入者の傾向などを分析することで、見えてくるものがあるはずです。
その強みを優先して伸ばすのか、これまで見えていなかったウィークポイントを克服することを優先するのかなどを考えましょう。
また、強みや弱みのなかには流動的なものが含まれているため、売り上げが変動したときには見直す必要があります。
ページ作成
楽天市場では1ページずつ運営者が商品を掲載しなければならないため、多くの時間を要するものです。
特に、初めて運営する方や運営を始めたばかりの方は、なかなか慣れていないのではないでしょうか?
商品ページを制作する際にはサムネイル画像や商品紹介文、価格設定などを記載しなければなりません。
特に、サムネイル画像はお客様が商品を検索している際に表示されるもので、収益に大きな影響を及ぼす要素です。
お客様に商品を購入してもらうためには、まずはそのページにお客様を誘導しなければなりません。
その後、商品詳細を確認して購入するため、サムネイルは入り口としてとても重要だということがお分かりいただけるでしょう。
このように、商品を掲載する際にはさまざまな要素を検討・記載しなければならないため、不慣れな方が多いものです。
このようなページ作成作業も、コンサルティングサービスによっては代行してくれることがあります。
SEO対策
SEO(Search Engine Optimization)とは、検索エンジンの評価を上げてほかの商品よりも上位に表示させるための手法です。
GoogleやYahoo!などの検索エンジンにもSEO対策は有効であり、広告のようにランニングコストが不要です。
見方を変えてみると、掲載したページは店舗の財産ともいえるものです。
24時間、手が離れているときでもお客様が購入してくれる可能性があるため、その重要性をご理解いただけることでしょう。
楽天市場におけるSEO対策では検索窓に打ち込んだキーワードで表示される結果に、上位表示を目指すことです。
しかし、SEO対策にはタイトルや見出しの決め方など、さまざまな要素を検討しなければなりません。
これらの知識を個人で収集すると膨大な時間がかかってしまうだけではなく、SEOは流動的であるという注意点があります。
半年前まで通じていた手法が、ある日使えなくなったということが、検索エンジンでは良くあるものです。
コンサルタントに依頼することで、現在使うことができるSEOのノウハウを教えてくれるでしょう。
また、サービス内容によってはコンサルタントが直接修正・改善をしてくれることもあるのです。
データ分析
楽天市場の運営者は、受発注処理や荷物の梱包・送付といったさまざまな作業を行わなければなりません。
今よりも多くの売り上げを上げるためには、現状の課題や強みなどを洗い出す必要があり、そのためにはデータ分析が必要です。
しかし、多くの業務をかかえている担当者に分析のための時間を割くことは難しいことでしょう。
また、せっかく分析したデータが使えなかったり、的外れだったりするとムダな時間を消費してしまいます。
コンサルタントに依頼することで、必要なデータをすぐに抽出するだけではなく、対策もレクチャーしてもらうことができます。
この仕事がコンサルタントの主業務といってもいいように、実績をもとに最適な提案を行います。
データをもとにPDCAサイクルを回し、繰り返し改善を行うことが楽天市場で成功するために重要なポイントといえます。
メルマガ配信
楽天市場で買い物をしたことがある方なら、店舗からメルマガを受け取ったことがある方がいらっしゃるのではないでしょうか。
実は、メルマガはテンプレートを利用できますが、ほとんどの場合手作業で入力を行っているのです。
誤字脱字はもちろん、記載情報の整合性や価格など、メルマガを配信する前にはさまざまな要素をチェックしなければなりません。
メルマガを配信することで新規のお客様がリピーターに育つ可能性があるため、多くの店舗がメルマガを利用しています。
しかし、メルマガにも購入してもらう可能性を上げるためのテクニックがあり、それらを踏襲した内容で作成しなければなりません。
楽天市場のコンサルタントに依頼することで、購入率を上げるためのメルマガを作成してくれます。
また、プランによってはお客様が内容を確認してから配信予約まで行ってくれる業者もあるのです。
広告運用
インターネットを利用していると、文字や画像、動画といったさまざまな形式の広告を目にされることでしょう。
楽天市場においても広告が存在しており、費用を支払えば下記のようなさまざまな広告を配信できます。
- 検索連動型広告
- ディスプレイ・動画・ソーシャル広告
- メール広告
- 成果報酬型広告
- DM・封入広告
- サンプリング広告
注意点として、広告の種類によって主目的やKPIが異なる点が挙げられます。
たとえば、検索連動型の広告は購入に至る可能性が高く、ディスプレイ広告は多くのユーザーに表示されるといった特徴があります。
そのため、目的によって広告を使い分ける必要がありますが、慣れてノウハウを蓄積するまでに多くの時間を要してしまいます。
楽天市場のコンサルタントに広告運用を依頼することで、最適な配信方法で運用をしてもらえます。
あらかじめ予算を決めておくことでそれ以上使わないように指示できることから、安心して利用できるでしょう。
質問・相談
楽天市場を運営していると、下記のようにさまざまな疑問や課題が発生するものです。
- 検索結果に表示されない、ページ下部に表示される
- 広告経由の購入数が少ない
- 競合他社の状況が知りたい
- 現在売れている商品は何か?
- SEOをしたいが、ノウハウがない など
楽天市場のコンサルタントに相談することで、これらの質問や相談を気軽に行うことができます。
なかには調査に時間がかかるものがありますが、ほとんどの場合解決することができるでしょう。
Webサイトに記載されている情報を調べると多くの時間を要するほか、真偽を判断できないことがあります。
そのため、信頼できるコンサルタントに相談することで、納得したうえで解決できます。
コンサルティングを選定する際のポイント
こちらでは、コンサルティングを選定する際のポイントをご紹介します。
実績を確認する
楽天市場のコンサルティングを選定する際には、楽天市場での実績を確認しましょう。
「〇社で○○円増加!」や「リピーター数○○%UP!」など、さまざまな実績が記載されています。
また、楽天市場だけではなく自社ECやAmazonなどでも実績があれば、店舗展開を検討することができるでしょう。
たいていのコンサルティングは楽天だけではなく、複数のECモールも運営しているものです。
得意なジャンル
先述の通り、楽天市場にはさまざまな店舗があり、それぞれのジャンルに分けて商品を販売しています。
コンサルタントも同様で、特定のジャンルや業界に特化した商品に強い業者が存在します。
幅広いジャンルにたずさわっている業者もありますが、なかには「浅く広く」の可能性があるため注意が必要です。
課題を明確にする
コンサルティングを依頼する際には、下記のように何かしらの課題を抱えていることでしょう。
- 売り上げを増やしたい
- 人材リソースが足りない
- ノウハウが足りない
- 初めて出店するから不安
- データ分析の時間がない、精度が悪い
コンサルティング会社ではさまざまなサービスを提供しているため、自社に合ったサービスを導入することが重要です。
そのため、コンサルティング会社を選定する際には1社だけではなく、複数社に声を掛けて相談することをおすすめします。
料金体系
コンサルタントの料金は定額制の「固定費型」と、収入の数割を渡す「成果報酬型」の2つに大別できます。
固定費型は確実にコンサルティングを受けられる一方、収益が低くても定額を支払わなければなりません。
そのため、月によっては出費の比率が高くなってしまうことがしばしばあります。
一方、成果報酬型は売り上げた分だけ支払う料金形態であり、費用対効果が高いタイプといえます。
しかし、コンサルティング会社が成果を出せないと判断すると、手を掛けてくれなくなる可能性があります。
サポート範囲
楽天市場のコンサルタントによっては受けられるサポートが異なるため、こちらも確認しておくべき要素です。
対応時間や実施内容など、何をしてくれるのかを聞いておきましょう。
場合によっては、大幅に作業工数を削減できたり、あまり効果が無かったりするため、慎重に選ばなければなりません。
コンサルティング会社に依頼するメリット
下記にて、コンサルティング会社に依頼するメリットをご紹介します。
- 効率良く売り上げを上げることができる
- 業務改善、経営体質の見直しを行うことができる
- 自社に楽天市場運営に関するノウハウを蓄積することができる
前提として、コンサルティングの主目的は店舗の売り上げを上げることです。
店舗の売り上げが挙げられなかった場合、お客様側から解約を求められるため、コンサルティング会社自体にも損害が発生します。
そのため、コンサルティング会社はお客様と自社のために、必死で売り上げを上げるように提案や作業を行います。
その結果、お客様の店舗は効率良く売り上げを上げることができるようになるのです。
また、コンサルティング会社の業務のなかには、お客様の課題や強みを発見することが含まれています。
自分では気付かなかったポイントも、コンサルティング会社はレクチャーをしてくれるので改善を行うことができます。
共有してもらったアドバイスは今後の楽天市場の経営に活かすことができるため、ノウハウが蓄積される点もうれしいですね。
コンサルティング会社に依頼する際の注意点
一方、コンサルティング会社に依頼する際には下記のポイントに注意しましょう。
- 対応できない・時間がかかるときがある
- 担当変更がある
- 一定の費用が発生する
楽天市場のコンサルタントはお客様の店舗に専属で担当しますが、複数社をかかえているものです。
また、ビジネスマンであることからミーティングなどにより、対応できない時間がある点には注意しましょう。
ほかの業種と同様に、コンサルタントのなかには長年勤める方がいれば、短期で辞めてしまう方もいらっしゃいます。
しかし、担当変更はコンサルティング会社が行うため、業務に支障をきたすことはほとんどないでしょう。
コンサルタントを雇うということは、その分の出費が発生するという点にも注意が必要です。
まとめ|運営が不安・売り上げをあげたい際はコンサルティングを依頼しよう
今回は、楽天市場のコンサルタントについてご説明しました。
楽天市場のコンサルティングサービスとは、ECや通販のコンサルティングサービスなど楽天市場の運営に関するサービスです。
下記は、コンサルタントが実施しているサービスになります。
- 戦略の設計・企画の立案
- ページ作成
- SEO対策
- データ分析
- メルマガ配信
- 広告運用
- 質問・相談
楽天市場の運営や経営に不安がある方、売上を向上させたい企業は、コンサルタントに相談してみてはいかがでしょうか?