075-634-8700

OPEN 9:00 CLOSE 18:00

楽天市場でTDA広告を配信するときはセグメントに注意しよう

楽天市場でTDA広告を配信するときはセグメントに注意しよう

楽天市場には約5.7万店舗がお店を構えており、そのなかには競合となる店舗も存在することでしょう。

競合店舗は商品ラインアップが自店舗に近かったり、売れ筋商品をピックアップしていたりします。

そのため、競合店舗にユーザーを取られてしまい、売上が伸び悩んでしまう、といったことも珍しくありません。

差別化のためにはユーザーに認知してもらうことが重要であり、その手段のひとつとして「TDA広告」と呼ばれるものがあります。

しかし、広告はただ配信すれば良いというわけではなく、データや実績に基づいたターゲットに配信しなければなりません。

こちらの記事では、楽天市場でTDA広告を配信するときに注意するべき、セグメントについて解説します。

 

楽天市場のTDA広告とは?

楽天市場のTDA広告(ターゲティングディスプレイ広告)とは、楽天市場の広告枠に表示される広告です。

広告露出枠にはバナーと呼ばれる画像が表示されるため、「運用型バナー広告」と呼ばれることがあります。

ECモールが提供している広告運用サービスのなかには、サイト外部にも配信できるものが存在します。

AmazonのDSP広告がこちらに該当し、Amazon外のページでAmazonの広告が表示されます。

さまざまなページで表示されることにより、ユーザーの購買意欲を高めたり、買い忘れの喚起を行ったりできます。

しかし、表示されているすべてのユーザーが購入したいと思っているとは限りません。

一方、楽天市場のRTA広告は楽天市場内に表示されるため、購買意欲が高いユーザーに配信されます。

欲しいものが決まっていない人や、すでに決まっている人など、さまざまな人に表示できます。

ただし、広告の入稿時に「外部配信なし」を選択しなかった場合、楽天市場外に表示されるため注意しましょう。

 

TDA広告の特徴

TDA広告は、店舗が希望するユーザーのセグメントに対象を絞って表示できる、運用型バナー広告になります。

セグメントとは、ユーザーの年齢や性別をはじめとした、さまざまな属性を指します。

セグメントはそれぞれを組み合わせることができ、詳細にターゲットを選定することができます。

なお、TDA広告は表示された回数に応じて課金される「ビューアブルインプレッション(Vimp)課金」が採用されています。

下記、楽天市場におけるTDA広告の概要になります。

課金形態

ビューアブルインプレッション課金型

設定予算

50,000円~

配信単価/価格

1表示あたり0.75円~10.00円

市場外配信

ありなしの選択可能

セグメント

上記の表を参照

キャンペーンステータス

配信期間途中でも配信の停止、また再開が可能

ターゲティング・可否

配信ペース

「アクセス量に合わせて最大配信」もしくは「予算を日ごとに均等配信」

配信期間

4日~1ヶ月

 

ペルソナ設定について

先述の通り、楽天市場のTDA広告ではさまざまなセグメントを設定できます。

しかし、セグメントが細かすぎてどのように設定すればわからない、という人も多いことでしょう。

そのような場合、「ペルソナ」を設定するとわかりやすくなります。

マーケティングにおけるペルソナとは、自社の商品やサービスを購入する顧客像を意味するものです。

一般的なターゲティングとは異なり、年齢や性別だけではなく趣味嗜好や行動パターンなどもイメージします。

たとえば、「30代の既婚男性」はデモグラフィック属性による、大まかな設定になります。

下記は、ペルソナ設定の際に設定する項目の一例です。

  • 名前
  • 性別
  • 年齢
  • 居住地
  • 家族構成
  • 職業
  • 趣味嗜好
  • 好きなエリア
  • 価値観
  • 目標
  • 課題

 

では、良質なメンズファッションを展開している企業を例に取り、どのようなペルソナ設定になるのか一例を見てみましょう。

名前

山田 太一

性別

男性

年齢

32歳

居住地

大阪府

家族構成

同い年の妻と、5歳の息子の3人暮らし

職業

会社員、役職:主任

趣味嗜好

散歩、筋トレ

好きなエリア

繁華街、公園

価値観

仕事は定時に上がることがモットー。

理由は仕事がすべての人生ではないから。

仕事はあくまでお金を稼ぐ手段と割り切り、従業員に対してもビジネス関係に徹する。

とはいえ、仕事終わりには部下と一緒に食事に行くなど、活発な一面も。

帰宅後と休日は家族サービス。

5歳の息子がヤンチャで、毎日四苦八苦しているが、大切な時間だと思っている。

目標

個人目標はベンチプレス90kgを上げること

仕事では3年以内に係長に昇進すること

家族については家内を専業主婦にさせ、もうひとり子どもを授かる

悩み事

3年前、カジュアルシーンで着用するジャケットをセレクトショップで購入。

しかし、好みが変わったのと趣味の筋トレが災いし、ジャケットを着なくなった。

そんなときに、息子が通う保育園で参観日。

ジャケットを着なければならない、しかし好みのジャケットが見つからない。

とはいえ、数十万もするジャケットは先述の理由から購入する気はない。

なにか良いジャケットはないものだろうか…

 

上記はあくまで一例ですが、詳細なターゲットをイメージできたのではないでしょうか。

デモグラフィック属性によるターゲットは大まかな設定だったため、そのまま広告を配信すると多くのユーザーに拡散されます。

しかし、ユーザーのなかには自社商品を購入しない・購入を検討していない人も含まれています。

TDA広告はビューアブルインプレッション課金型を採用しているため、ムダな費用が発生します。

ペルソナを設定し、明確なターゲットを定めることで最適なユーザーに配信することができます。

購入に至る可能性が高いユーザーに配信することで、高い費用対効果を実現できるでしょう。

 

セグメントについて

楽天市場でセグメントを設定する際に重要となるのは、TDA広告を配信する目的です。

TDA広告を配信する目的は、「ブランド認知度向上」や「売上向上」など多岐にわたります。

目的が異なれば、ターゲティングおよびセグメントも異なるため、設定を見直しましょう。

たとえば、ブランド認知度向上を目的とする場合、既存ユーザーに絞りすぎると認知は向上しません。

そのため、性別や年齢、居住地域など、セグメントを適切に設定することをおすすめします。

一方、売上向上の場合は、購入に至る可能性が高いユーザーにしっかりと配信しましょう。

性別や年齢のほか、閲覧履歴やイベントにおける買い回り数などを設定します。

また、購入金額や頻度などを参考に、会員ランクや購買履歴を設定するのも良いでしょう。

このように、TDA広告を設定する際には、明確な目的が必要です。

 

設定可能なセグメント

下記は、楽天市場のTDA広告で設定できるセグメントです。

セグメント項目

セグメント概要

会員登録情報

・年齢

・性別

・会員ランク

・居住地域(エリア)

・居住地域(都道府県)

閲覧履歴

※閲覧履歴のみ設定可能上限数(約350件)

第一階層ジャンル別(38ジャンル)

┗第二階層ジャンル別(530ジャンル)

※ジャンル数は増減します

イベント興味

・イベント

・大型イベントにおける最大買い回り数

購買履歴

第一階層ジャンル別(38ジャンル)

3ヶ月以内3回以上購買

主要9ジャンル

ライフステージ

・既婚・子ども有無

・居住形態

・借家

・自家用車

・年収

自店舗来訪・購入履歴

・新規・既存ユーザー

 

セグメント設定のコツ

こちらでは、セグメントを設定する際に抑えておくべきコツをご紹介します。

 

セグメント設定

先述の通り、楽天市場では目的によって最適なセグメントを設定する必要があります。

狭すぎたり、広すぎたりすると成果につながらず、ムダな費用が垂れ流しになってしまいます。

目的に合わせて最適なセグメントを設定することで、ムダな出費を抑え、CVRや認知度向上が期待できます。

 

バナーデザイン

バナーデザインは、商品やブランドイメージを効果的に伝えることが目的です。

楽天市場のユーザーはシンプルなデザインよりも、目を引く・インパクトがあるデザインを好む傾向にあります。

ただし、バナー作成の際には楽天市場が設けているルールに則り、審査を通過しなければなりません。

 

リターゲティング

リターゲティングとは、一度でも自店舗を訪問したことがあるユーザーに対して、再度広告を表示する機能です。

GoogleやYahoo!でも実施しているターゲティング方法であり、興味関心が高いユーザーに配信できます。

リターゲティングを実施することで、かご落ちユーザーへのアプローチやCVR向上を実現できるでしょう。

 

複数キャンペーンで比較

TDA広告に限らず、広告を運用する際はキャンペーンや広告をひとつだけではなく、複数で運営することをおすすめします。

ひとつの場合は成果の良し悪しが判断できないため、比較できるA/Bテストを実施しましょう。

成果を比較し、高い成果を得られた要素を残し、継続して広告を配信することで成果を最大化できます。

 

TDA広告を運用する際の注意点

一方、TDA広告を運用する際には、下記のポイントに注意しましょう。

 

予算設定

TDA広告は性質上、多くのターゲットに配信するように設定すると多くの費用を使います。

いわゆる「予算消化」と呼ばれるものであり、日ごとに予算を設定してもすぐに使い切る可能性があります。

たとえば、1日の予算を1,000円、1円/Vimpの場合、1,000回表示されるとその日は配信されなくなるのです。

本当であれば終日、もしくは注力している時間帯に配信しきる必要があります。

しかし、キャンペーンやイベント期間に配信すると、あっという間に配信が終了してしまう可能性があるものです。

そのため、TDA広告を配信する際は、ターゲット設定と予算に注意しなければなりません。

 

広告審査

TDA広告を配信する際は、不適切なバナーではないかといった審査を実施します。

ほかの広告の場合は数日程度で完了しますが、TDA広告の場合は4サイズのバナーが必要なため、多くの時間を要するのです。

下記はTDA広告を入稿する際に必要となる、バナーのサイズです。

  • 1,280px × 200px
  • 880px × 320px
  • 400px × 800px
  • 480px × 360px

 

また、下記が該当するとそのバナーは審査を通過しません。

  • 楽天のブランドカラー(#BF0000)の使用
  • テキストに袋文字装飾
  • クリックを促すようなアイコン・ボタン表示・テキスト表示
  • 画像の1/3を超える肌露出
  • モデルやマネキンが着用している下着の画像の掲載

 

バナーを作成する際は、これらに注意しましょう。

 

継続した成果改善

TDA広告で成果改善を行うためには、先述した通りA/Bテストの実施がおすすめです。

しかし、A/Bテストを実施するためには、複数のバナーが必要となり、制作に時間がかかります。

また、制作後の審査も通過しなければならないため、思ったよりも時間を取られます。

成否を確認したあとに別のバナーを作成するにしても、やはり時間がかかります。

そのため、TDA広告で成果改善に臨む際は、時間がかかってしまう点には注意しましょう。

 

TDA広告の設定手順

TDA広告は、下記の手順で設定します。

  1. 広告管理画面にログインする
  2. 楽天プロモーションメニューを開き、「ターゲティングディスプレイ広告(TDA)」を選択
  3. キャンペーンをクリックし、「新規登録」を開く
  4. キャンペーン名や予算など、必要な項目を記載し、「登録」をクリック

 

ここでの注意点としては、「配信ペース」「設定URL」は審査完了後の変更ができないことが挙げられます。

また、楽天TDAを利用する店舗が多いため、基本的には早いもの順で予約を取っていく形式となります。

バナーの審査も厳しく、慣れていないときは何度も審査に落ちてしまうため、ストレスがたまるかもしれません。

予算超過が気になるときは、配信ペースを「予算を日ごとに均等配信」に設定しましょう。

「アクセス量に合わせて最大配信」に設定した場合、期間を問わず最大量配信してしまいます。

 

まとめ|TDA広告は戦略立案が最重要

こちらの記事では、楽天市場でTDA広告を配信するときに注意するべき、セグメントについて解説しました。

楽天市場のTDA広告とは、楽天市場の広告枠に表示される広告であり、セグメントを絞って表示できます。

セグメント設定が難しい場合は、ペルソナ設定で詳細を詰めていくと良いでしょう。

広告は配信して終わりではなく、継続した改善を行うことで費用対効果を最大化できるのです。

-楽天市場|Rakuten