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Qoo10の成功を左右する「入口商品」の理解を深めておこう

Qoo10の成功を左右する「入口商品」の理解を深めておこう

Eコマースビジネスに参入する際、ターゲットを選定することになります。

男性女性や年齢、趣味嗜好などを参考にしますが、最近では日本国内だけでなく海外ユーザーもターゲットに含まれます。

飽和状態にある日本国内で戦うよりも、未開拓の海外に参入したほうが利益を得られる、と考える人も多いでしょう。

Qoo10は越境ECもできるECモールですが、すべての商品が売れるというわけではありません。

では、売れる店舗を構築するためには、何をすれば良いのでしょうか?

そこで今回は、Qoo10の成功を左右する「入口商品」について解説します。

 

入口商品とは?

入口商品とは、購入に至るまでのハードルをほかの商品よりも低く設定した、はじめてでも買いやすい商品を指します。

多くの人は、はじめて購入する商品や店舗に対して、少なからず抵抗や懸念を抱いているものです。

ユーザーが考える通販のリスクは下記が挙げられ、だからこそはじめての商品や店舗には警戒しています。

特に、高額な商品や限定品などは、実店舗で現物を見て購入したいと考える人が多いことでしょう。

Eコマースのメリットはその場で即購入できる点が挙げられますが、一方で現物がない点はデメリットです。

そのため、日用品や普段から使い慣れている商品などは、購入のハードルが低いといえます。

Eコマースでは新規ユーザーのハードルを下げるため、多くの店舗が入口商品を設定しています。

新商品の場合は割引やお試し商品の提供のほか、定番商品や人気商品が入口商品として設定することが一般的です。

ユーザーは一度購入してみて、商品やサービスの質が良ければリピーターとして何度も購入してもらえるようになるのです。

上記より、入口商品は新規顧客獲得、およびリピーター育成に対して、非常に重要な要素といえます。

 

入口商品の有無による違い

逆に、入口商品がなければどうなるのでしょうか?

結論として、入口商品を設定しなかった場合、設定した場合と比べると売上が伸びるスピードが鈍化するでしょう。

Eコマースにおける売上および利益を考慮する際、しばしばライフタイムバリュー(LTV)を検討します。

LTVは顧客生涯価値と呼ばれる言葉であり、ユーザーが取引を始めてから終わりまでの期間に生み出してくれる利益になります。

たとえば、1,000円の商品を1回しか購入してくれなかった場合、LTVは1,000円です。

しかし、複数回購入してもらうことで、自店舗とユーザーが関わる限り、継続して収入を得られます。

早期に多くのユーザーに購入してもらうことでLTVを伸長できますが、購入してもらえなければ成果を得られません。

とはいえ、先述の理由から多くのユーザーは見知らぬ店舗や商品を購入する際に抵抗を感じます。

このようなユーザーの懸念を払しょくし、安心して購入してもらうために入口商品を設けます。

改めて、入口商品を設定しておくことで購入しやすくなることから、売上を早い段階で伸ばすことができるといえるでしょう。

 

入口商品の種類

こちらでは、入口商品の種類をご紹介します。

 

トライアル商品・お試し品

トライアル商品・お試し品は化粧品・コスメ業界をはじめとした業界で採用されている入口商品です。

高額な商品が多い化粧品業界では、新商品を販売してもいきなり購入してくれる、という人は多くないと思います。

たとえば、本来500mlで販売しているものを、「まずは試してください」という思いから100gの小さいサイズで販売します。

トライアル商品・お試し品が良かった場合、継続して購入してリピーターとなってくれる可能性が高くなります。

 

安価な関連商品

先ほどはある程度含有量を調整できる化粧品業界を例に取りましたが、商品によっては量やサイズを調整できないものがあります。

そのような商品を取り扱う店舗の場合、安価な関連商品を入口商品に設定することが多いです。

たとえば、サッカーの場合はサッカーボールの価格を抑え、シューズなどその他の高額な商品の購入につなげる戦略になります。

その商品単体で売上を確保するのではなく、さまざまな関連商品とまとめ買いをしてもらうことで売上確保を狙います。

 

主力商品・人気商品

店舗によってはすでにある程度収益を上げており、伸び悩んでいる、または頭打ち状態の店舗も存在します。

そのような場合、主力商品や人気商品を値下げし、定期購入を狙うという作戦も有効です。

たとえば、市場でよく売れているシャンプーの価格を抑えることで、リピーターの獲得および顧客の囲い込みができます。

商品や店舗の良を実感してもらうことで、主力商品・人気商品以外の商品も購入してもらえる可能性が高くなるでしょう。

 

継続購入が期待できる商品

先述した化粧品やシャンプーといった商品は消耗品であることから、なくなったときは再度購入する必要があります。

継続購入が期待できる商品を入口商品に設定することで、安定した売上を継続的に獲得することができます。

また、短期間では成果が現れないサプリメントなども、継続購入が期待できる商品のひとつに含まれます。

業種や業界に依存しますが、消耗品を取り扱っている店舗はこれらを入口商品にしてみてはいかがでしょうか?

 

入口商品の作り方

入口商品は先述した商品群であることから、自分で作り上げる必要があります。

下記にて、入口商品の作り方をご紹介します。

 

1. アクセスが多い商品

自店舗で入口商品を選定する際、まずは自店舗では何が売れているのかを知っておかなければなりません。

また、自店舗としては押していきたいが、なかなか世の中に受け入れられていない、という商品もあるでしょう。

これらを感覚的ではなく、数値として視覚化するために、各種解析ツールを用いて現状を確認します。

Qoo10の場合、全店舗が利用できる「Q-Analytics」と呼ばれるものがあります。

Q-Analyticsは下記が実施できるツールであることから、積極的な利用をおすすめします。

  • 商品ごとの販売実績やPVなどのデータを確認できる
  • 商品ページの修正や広告の設定ができる

 

これらのうち、入口商品を選定する際には「商品ごとの販売実績やPVなどのデータ」を確認しましょう。

よく見られているページや販売実績が多い商品は、高い需要がある商品といえます。

また、よく見られていても販売数が少ない場合、何らかの要因で離脱している可能性が高いです。

競合店舗よりも価格が高いのか、ページの情報が不十分なのかなど、考えられる要因は多岐にわたります。

はじめて入口商品を選定する際は、ページビュー数や販売実績が多いページを設定しましょう。

 

2. 市場分析

ある程度入口商品となる商品を選定したあとは、市場のニーズと合致しているのかを照らし合わせていきましょう。

Qoo10においては、下記のように検索キーワードや競合店舗から需要を予測することができます。

 

検索キーワード

入口商品がどのようなキーワードで検索されているのかを予測し、実際にQoo10で検索してみます。

検索結果の上位に表示されていれば、多くのユーザーに認識されている可能性があります。

一方、検索結果の上位に表示されなかった場合や、そもそも表示されない場合、SEO対策や検索広告などで集客が必要です。

また、検索するキーワードは単語だけではなく、「○○ お試し」といった、複合キーワードも視野に入れましょう。

 

競合店舗

Qoo10には多くの店舗が出店しており、そのなかには自店舗にとってのライバルとなる店舗が存在しています。

競合店は商品ラインアップなどが似ていることが多いため、お互いにユーザーの取り合いといった競争が発生します。

ベンチマークしていた競合店舗のページを訪問し、どのような商品に注力しているのかを調べておきましょう。

自店舗の入口商品候補と異なる場合は、競争時に発生するコストを最小限に抑えられる可能性があります。

 

自店舗・競合店舗・市場を分析することから、入口商品を設定する際は「3C分析」が有効だといえます。

3C分析はマーケティング戦略の策定時に用いられるフレームワークで、多くの企業・店舗が採用しています。

 

3. はじめから入口商品として設計する

また、分析を行わずに、はじめから入口商品として設計するという選択肢もあります。

コラボ商品や福袋をはじめとした期間限定商品などが、はじめから入口商品として設計されることが多いようです。

これらの商品は他店舗では真似されにくい、独自性が高い商品であることから、競争に巻き込まれる可能性が低い傾向にあります。

はじめから入口商品として設計する際は、下記のポイントを押さえておきましょう。

ユーザーにとって魅力がある・メリットがある商品なのか?

継続購入・その他商品の購入につながる商品なのか?

在庫量が十分、もしくは在庫数量が明確か?

 

どれだけ入口商品を用意していても、在庫が少なかったり欠品になったりすると、機会損失となります。

また、「大々的にうたっているのに在庫がない」と思われると、店舗のマイナスイメージとなり顧客が離れてしまいます。

そのため、入口商品についてはいつ・どれだけ注文を受けても耐えられるような、十分な在庫量が必要です。

 

入口商品の探し方

先ほどは3C分析について触れましたが、やり方が分からない・多くの時間を要したという人は多いのではないでしょうか?

こちらでは入口商品の探し方について、自店分析・市場分析・商品選定およびQoo10で入口商品を探す方法をご紹介します。

 

自店舗分析

自店舗を効率良く分かりやすく分析するためには、Webマーケターなどが使用しているフレームワークの利用がおすすめです。

自店舗で使用するフレームワークには、下記のようなものが含まれています。

 

CPM分析

CPM(Customer Portfolio Management)分析とは、購入回数・購入金額・最終購入日からの経過日数を基に分析するフレームワークです。

これらに基づき、下記10個のセグメントにユーザーを分類します。

初回現役客

一定期間内に初回購入実績のある顧客

よちよち現役客

 一定期間内に2回以上購入実績のある顧客

コツコツ現役客

一定期間内に安定的なリピート購入実績のある顧客

流行現役客

短期間で一定金額以上の購入実績がある顧客

優良現役客

長期間にわたり一定金額以上の購入実績がある顧客

初回離脱客

一定期間内に初回購入実績があるものの、離脱した顧客

よちよち離脱客

一定期間内に2回以上購入実績があるものの、離脱した顧客

コツコツ離脱客

一定期間内に安定的なリピート購入実績があるものの、離脱した顧客

流行離脱客

短期間で一定金額以上の購入実績があるものの、離脱した顧客

優良離脱客

長期間にわたり一定金額以上の購入実績があるものの、離脱した顧客

 

初回現役客から優良現役客までは既存客、初回離脱客以降は購入したことがない・購入を辞めたユーザーになります。

どのユーザー層が多く、どのようなユーザーを集めたいのかを検討する際に、こちらのCPM分析を用いましょう。

 

RPM分析

RPM分析とは、直近の購買日(Recency)・購買頻度(Frequency)・購買金額(Monetary)を用いた分析方法です。

これらを期間や購買金額ごとにスコアを設け、それらを振り分けて優良層や離脱層などに分けて視覚化します。

先述したCPM分析と比較すると、RPM分析はどちらかというと短期的な視点での分析に強い傾向にあります。

CPM分析とは異なり、金銭の概念がからんでくるため、より細かい分析が可能です。

一方、スコアおよび振り分けは個人の裁量に依存するため、精度は個人差によって変動する点には注意しましょう。

 

セグメント分析

セグメント分析とは、ユーザーを属性やニーズ、購入頻度などで細分化する方法になります。

国や地域などのジオグラフィック、性別や年齢といったデモグラフィックなど、さまざまなな観点から分析できます。

また、ライフスタイルや興味関心といったサイコグラフィック、購入回数や金額といった行動などでも分析が可能です。

セグメント分析を実施することで、自店舗の顧客と狙っているターゲットとの乖離などを知ることができます。

 

市場分析

Qoo10における市場とはQoo10そのものであり、検索結果からさまざまな情報を読み取れます。

たとえば、ランキングに掲載されている商品および店舗をリサーチするだけでも、多くの情報を得られるでしょう。

対象商品・店舗の商品性能・価格・レビュー数や内容・配送・累計販売数を確認します。

自店舗のページと比較してみると、ページの構成はどうか、配送条件の優劣などを知ることができるでしょう。

これらの分析結果を自店舗の施策に反映させることで、入口商品となりうる可能性が高くなります。

また、多くのユーザーはQoo10で商品を探す際、検索窓に検索キーワードを入力します。

キーワードに関するリサーチを行う場合、ビッグワード→ミドルワード→スモール・ニッチワードの順に調べます。

たとえば、Tシャツを販売している場合、ビッグワードは「Tシャツ」になります。

ビッグワードは一定期間に調べられる回数、および対象となるページが多いワードです。

ビッグワードでヒットしなかった場合、「Tシャツ 国産」といったミドルワードに移行します。

それでもヒットしなかった場合、「Tシャツ 国産 速乾」といった、スモール・ニッチワードを調べましょう。

これらの検索結果で上位表示されているページのサムネイルやカテゴリ、タイトルなどには、さまざまな工夫が盛り込まれています。

どの店舗も売れている商品を注力商品・入口商品にしている可能性が高いため、積極的に参考にしましょう。

 

商品選定

最後に行うのが、どの商品を入口商品にするのかという「商品選定」です。

先ほどの分析により、どの商品を入口商品にするのか、選択肢は絞られたのではないでしょうか?

入口商品を選定する際は、価格・送料・配送・レビュー・商品サイズ・形・カラー・累計販売数を参考にしましょう。

どの店舗でも、すべてに強い商品というものは存在せず、特定の分野に特化している商品が売れる傾向にあります。

流通量が多い、デザインが良い、価格が安いといった、商品にはさまざまなアイデンティティが設けられています。

「○○なら○○店に勝てる!」といった勝ち筋を発見できれば、ページの内容や価格設定などが決まっていくことでしょう。

 

入口商品を用いた販売戦略

では、選定した入口商品を、どのように活用すれば売上が上がりやすくなるのでしょうか?

こちらでは、入口商品を用いた販売戦略の一例をご紹介します。

 

複数の入口商品を用意する

入口商品はひとつに絞る必要はなく、複数の入口商品を設けることで多くのユーザーを取り込みやすくなります。

ユーザーに対して選択肢を増やすということになることから、集客および購入率向上につながるのです。

主力商品や高利益が期待できる商品につながりそうな商品が複数ある場合は、おのずと入口商品も多くなります。

さまざまなサイズのお試し商品を用意する、カラーバリエーションを取りそろえるなどは、その一例といえます。

また、これらは入口商品を皮切りに購入するユーザーに対して、リピートが期待できるものとなります。

 

都度入口商品の情報を更新する

入口商品を設定しても、更新せずに数ヶ月、数年が経過すると、記載している情報が古くなっていきます。

そのため、入口商品ページはニーズや売り出したい商品に応じて、都度追加や変更といった情報の更新が必要です。

「自社売上No.1」や「○○の受賞実績あり」などは、今後獲得できる変化の一例といえるでしょう。

特に、ユーザーに対しては数値的に訴求できる要素があったほうが、購入率が高くなる可能性があります。

逆に、売上が良くないものでも定期的に更新することで、ユーザーの興味を引いて購入率向上が実現できるかもしれません。

 

リピーター対策

Qoo10に出店している人気店舗の多くは、初回以降何度も購入してくれる、リピーターを多く抱えているものです。

リピーターは定期的に売上を上げてくれる存在であり、ほとんどの店舗がリピーター獲得に注力しています。

そのためにはまず新規顧客を獲得しなければならず、入口商品の設定は新規顧客獲得のための戦略になります。

自店舗での購入、および商品を使うことで得られるメリットなどを記載することで、新規顧客・リピーターを確保できるでしょう。

特典や配送条件などで差別化することで、高い満足度を維持しながらリピートしてもらうことができます。

 

まとめ|Qoo10に出店する場合、必ず入口商品を設けよう

今回は、Qoo10の成功を左右する「入口商品」について解説しました。

入口商品とは、購入に至るまでのハードルをほかの商品よりも低く設定した、はじめてでも買いやすい商品を指します。

入口商品の有無で新規顧客および売上の確保に大きな差が現れるため、積極的に設けるようにしましょう。

一言で入口商品といっても、そのなかにはトライアル商品・お試し品や安価な関連商品、主力商品・人気商品、継続購入が期待できる商品などが含まれています。

これらはそれぞれで販売戦略やターゲットが異なるため、分析の上最適な販売方法でプロモーションする必要があります。

入口商品の作り方はアクセスが多い商品や市場分析を実施するほか、はじめから入口商品として設計することが挙げられます。

販売戦略としては複数の入口商品を用意する・都度入口商品の情報を更新する・リピーター対策などです。

入口商品を設定し、新規・リピーターを確保しましょう。

-Qoo10