Qoo10で無在庫販売や転売ビジネスは行えるの?
近年、自社では在庫を持たずに、メーカーから特定の住所に商品を発送する無在庫販売のビジネスが普及するようになりました。
また、人気商品や限定商品などを買い占めて、ECモールで販売する転売ビジネスも、ニュースで取りざたされています。
これらはQoo10でも実施されているのでしょうか?
また、Qoo10で無在庫販売や転売を行っても問題はないのでしょうか?
こちらの記事では、Qoo10で無在庫販売や転売ビジネスは行えるのかについて解説します。
無在庫販売とは?
無在庫販売とは、自社および個人が在庫をかかえずに物品を販売するビジネスモデルであり、主にECで行われています。
出品したものに注文が入ったタイミングで、店舗運営者はメーカーや倉庫に連絡し、対象となるユーザーに発送します。
代表的なものでは完全受注商品やオーダーメイドの商品が挙げられ、現在に限らず以前から無在庫販売は存在していました。
店舗運営者は少ない初期費用でビジネスを始められるうえに、梱包作業などがないことから、リスクが少ないビジネスといえます。
特に、大型家具や家電など保管に大きなスペースを要する商品を取り扱う店舗が無在庫販売を行う傾向にあります。
このように、ショップ側からすると非常にメリットが大きい無在庫販売ですが、その分デメリットも存在します。
無在庫販売のメリット・デメリット
こちらでは、無在庫販売のメリット・デメリットをご紹介します。
メリット
下記は、無在庫販売を行うことで得られるメリットの一例です。
初期投資が少ない
無在庫販売は自社や自宅に販売する商品の在庫を保管しない、つまり仕入れリスクが発生しないビジネスモデルです。
本来、在庫している商品は収益を得るために必要な商材であると同時に、場所や費用を圧迫する要因にもなります。
ヒット商品や人気商品など回転率が高い商品が売れたときは、都度発注をしなければならない点も時間とコストを要する作業です。
一方、無在庫販売の場合、商品が売れた際はメーカーや仕入れ先に発送を依頼するだけで完了します。
ショップ側は検品や梱包、発送といった手間がかかる作業が発生しないことから、作業工数や人件費を抑えられます。
浮いたお金はページ構築費やプロモーションなどに活用することで、一層の収益増加が期待できます。
在庫リスクが低い
メーカーやショップの最も大きなリスクのひとつとして、製造・仕入れた商品が売れずに不良在庫となってしまうことが挙げられます。
商品のなかには消費期限や使用期限が設けられているものも含まれており、場合によっては廃棄も検討しなければなりません。
廃棄の際には高額な廃棄費用が発生することもあり、売れ残りはメーカーやショップに大きなマイナスを与える要因となるのです。
一方、ショップに関しては無在庫販売を実施することによって、在庫リスクを低減させることができます。
仕入れを行わないことから、売れ残りや廃棄といった支出を抑えられるため、安定した経営を実施できるのです。
余裕があればメーカーで売れ残っている商品を安値で買い取り、まとめて発送することで信頼関係を構築できることもあります。
手軽に始められる
無在庫販売は高額な費用が必要となる仕入れを行わないことから、少ない初期投資で手軽に始められます。
本来、メーカーやショップとして運営する場合は、在庫の仕入れだけではなく商品を保管するスペースが必要です。
場合によっては倉庫や物流、店舗を借りて運営しなければならず、賃料などの初期費用を用意しなければなりません。
しかし、無在庫販売では初期費用を抑えたうえで商品の売買を行う、いわばメーカーとユーザーの橋渡し的なポジションとなります。
受注した顧客情報の取り扱いやメーカー・仕入れ先とのやり取りに注意は必要ですが、注意点としてはそれくらいのものです。
そのため、セキュリティなどを完備すれば、自宅などオフィスではなくても手軽に始められる点はメリットといえます。
デメリット
一方、無在庫販売を行う際は、下記のデメリットに注意しましょう。
ユーザーの手元に届くまでに時間がかかる
無在庫販売は発送までをメーカーに依頼するビジネスモデルである以上、どうしても発送までにタイムラグが発生します。
自社で在庫をかかえている場合は早ければ即日出荷が可能ですが、メーカーの場合は最短で翌日出荷の場合が多いです。
発送に関する優先度についてはショップとメーカーの信頼度にも依存する可能性が高く、すなわち売り上げの度合いに依存します。
売れていないショップから「早く発送してくれ」といわれても、メーカーからすると「あまり売れていない店舗だし」と思われます。
ビジネスはあくまで対等の立場で行われるものであり、売っているから上の立場ということは決してありません。
このように、無在庫販売はメーカー・仕入れ先とショップの関係に大きく依存するビジネスだといえます。
品質を確認できない
無在庫販売はショップを通さずに商品をユーザーのもとに届けるビジネスであることから、人件費を大きく削減できます。
一見メリットが大きいと考えられがちですが、実は無在庫ビジネスならではの落とし穴が存在します。
それは商品をショップ自身が確認できないということで、検品や品質不良などを判断できないということです。
ユーザーからするとそのような背景は知ったことではなく、そのショップから贈られた商品だという認識を持ちます。
もしも不良品が紛れていた場合、そのショップが不良品を贈ったということになり、クレームの矢面に立たされます。
特に、海外から輸入した商品については国産のものよりも不良品である可能性が高いため、仕入れ先は注意して選定しましょう。
受注後に在庫切れになるリスクがある
また、無在庫販売はメーカーや仕入れ先の在庫数量を把握しにくいというデメリットも存在します。
在庫状況を把握できないということは、商品を受注しても欠品となっていて販売ができないということになります。
ユーザーからすると、Webサイト上ではあると書いているのに欠品しているという、ウソをつかれたことになるのです。
そのようなショップを信頼することは難しくなり、結果として顧客離れを促進させる要因となってしまい、収益が下がります。
これはメーカーにも責任の一端はありますが、大半は在庫状況を把握していなかったショップ側の問題です。
そのため、日常から売れる商品を把握しておいたり、欠品のリスクが少ない定番商品のみを取り扱ったりする対策が必要になります。
転売とは?
近年のビジネスにおいて、転売は無在庫販売と同じくらいにぎわせているビジネスモデルになります。
転売とは、一方から購入したものを、さらにほかの人に販売することを指します。
一見すると通常のビジネスや販売と大差がないようですが、「転売」と聞いただけで不快な思いをする人が多くいます。
転売自体は違法行為ではなく、収益を得る方法のひとつですが、なかには商品を買い占めて転売する人がいるものです。
いわゆる「転売ヤー」と呼ばれる存在で、近年では社会全体に悪影響を及ぼす存在として懸念されています。
この転売ヤーの存在により、転売そのものが悪と認識する人は少なくありません。
転売のメリット・デメリット
下記にて、転売のメリット・デメリットをご紹介します。
メリット
転売を実施した人は、下記のようなメリットを得ています。
ライバルが少ない
Qoo10は比較的最近取りざたされるようになったECモールであり、Amazonや楽天よりも店舗やユーザー数は少ないです。
近年のEC事業はレッドオーシャンとなっており、収益を獲得するためにはさまざまな競争に勝たなければなりません。
一方、Qoo10はまだライバルとなる存在が少ないことから、ブルーオーシャンであるといえます。
転売に限らず、ビジネスには先行が有利となることが多々あり、ほかの企業よりもブランディングを確立しやすくなります。
ブランディングは簡単にいうと「○○なら○○社」といった認識を持ってもらうことで、今のQoo10なら確立しやすいでしょう。
仕入れた商品を出荷するという、ビジネスの根幹となる行為であることから、堂々と販売が可能です。
安価で商品を仕入れられる
Qoo10はほかのECモールとは異なり、他国から商品を仕入れられる「越境EC」を実現しやすい特徴があります。
中国をはじめとした、主にアジア圏の商品は低価格で仕入れられるものが多く、独創的なものが多いです。
ビジネスの本質は、ユーザーが満足する商品を低価格で仕入れ、高額で販売することにあります。
一方、限定商品やプレミア商品などを仕入れた価格よりも高額で販売すると、多くのユーザーから反感を買ってしまいます。
そのため、世間相場からかけ離れたような価格を設定するのではなく、適正価格でビジネスに臨みましょう。
ユーザーだけではなく、世間からの信頼を獲得することが、転売ビジネスで成功するための近道となります。
豊富なジャンルがそろっている
Qoo10にもほかのECモールと同様に、さまざまなアイテムや豊富なジャンルが取りそろえられています。
メインターゲットは10代から20代の女性であり、そのためコスモや下着などが多い傾向にあります。
とはいえ、メンズやその他のジャンルも取りそろえられていることから、毎日多くのユーザーが利用しています。
逆に、あまりラインアップがそろえられていないジャンルや商品群はブルーオーシャンといえるでしょう。
今のうちに対象となる商品の販売をしておけば、ブランディングを確立しやすくなるため、チャンスといえます。
売れる商品を見極めるためにはデータや審美眼が求められますが、当たれば大金を得られる可能性があるものです。
デメリット
一方、転売ビジネスには下記のデメリットが存在しています。
海外から輸入する場合、配送に時間がかかる
Qoo10を利用して海外から商品を仕入れる場合、輸入までの配送期間を考慮しておかなければなりません。
在庫状況にも依存しますが、国内の仕入れ先とやり取りをする際は1週間以内に納品されることが多いです。
本来であれば売れる商品を在庫しておく必要がありますが、特需によって爆売れすることがあります。
そのような場合、海外から仕入れるとなると数週間かかることも珍しくなく、期日内にお届けできないことがあるのです。
不測の事態に備えて大量に在庫すると仕入れリスクと保管場所を圧迫してしまう、ジレンマが発生してしまいます。
このように、転売は販売量と在庫スペース、配送期間などさまざまな要素を考慮しなければなりません。
不良品が含まれることがある
国内メーカーであれば細かい箇所まで検品をするため、不良品が含まれるリスクは低い傾向にあります。
しかし、海外メーカーについては国内よりも審査基準が低いことから、不良品が混ざっている確率が高い傾向にあるのです。
自分が使うために購入した分に関してはある程度納得はできますが、ユーザーの場合は満足しない可能性があります。
いくら「Made in ○○」と記載されていても、それを見越して検品をして発送をしているとユーザーは考えるでしょう。
幸いなことに、無在庫販売とは異なり転売は手元に在庫が存在するため、自分の目で確認して送付が可能です。
上記より、海外商品を転売する際はある程度のロス(廃棄)を考慮して仕入れを行いましょう。
価格変動が大きい
Qoo10ではショップが企業努力として、さまざまなクーポンを発行することがあります。
また、楽天市場におけるスーパーセールや、Amazonにおけるプライムデーのように、メガ割というイベントがあるものです。
これらは低価格で商品を仕入れられるチャンスであることから、ユーザーだけではなくビジネス目的でも集客が期待できます。
一方、メガ割は年4回開催されているイベントであることから、それ以外の期間は販売価格がもとに戻ってしまいます。
利益設定がギリギリの場合、通常の仕入れ価格では利益を出せない可能性があるのです。
そのため、安いときに大量に仕入れたらいいかと考えていると、思わぬところで収益を圧迫する要因となります。
無在庫販売・転売は違法?
結論として、Qoo10においては無在庫販売や転売は規約違反ではなく、法的にも抵触しないビジネスモデルです。
しかし、近年では運営再度が無在庫販売や転売を禁止するところが増加傾向にあります。
たとえば、アイドルのライブチケットや古物商未申請での中古品販売などが挙げられます。
Qoo10においては無在庫販売や転売であるということを確認できるわけではないため、いちショップの立ち位置となります。
とはいえ、世間一般では無在庫販売や転売にネガティブなイメージを持つ人が多いため、言いまわらないほうが良いでしょう。
いわゆる物販系は「怪しい」「胡散臭い」と思われやすいビジネスモデルであることから、注意が必要です。
まとめ|違法ではないが、商売倫理の遵守は必要
こちらの記事では、Qoo10における無在庫販売や転売について解説しました。
無在庫販売とは、自社および個人が在庫をかかえずに物品を販売するビジネスモデルであり、主にECで行われています。
転売は一方から購入したものを、さらにほかの人に販売することを指します。
これらはいずれも違法ではありませんが、販売してはいけない商品を販売すると法に抵触してしまいます。
これからQoo10で無在庫販売や転売を行おうと考えている人は、ルールに則ってビジネスを行いましょう。