楽天市場で商品を売れやすくする戦略「ストーリーテリング」とは?
売れている商品やサービスのプロモーションを見ていると、何かしらのストーリー性が見られることがあります。
ターゲットを明確にしていたり、制作意図を盛り込んだりすることで、ユーザーを引き込んでいるものです。
これらは「ストーリーテリング」と呼ばれる手法を採用しており、そのためにさまざまなテクニックを用いています。
こちらの記事では、楽天でも利用することができるストーリーテリングについて解説します。
「ストーリーテリング」とは?
ストーリーテリングとは、物語によって伝えたい思いやコンセプトを印象付ける方法です。
昨今のビジネス業界において、利便性や高いデザイン性だけではユーザーを獲得することが難しくなりました。
ものやサービスがあふれているからこそ、ほかの商品との差別化を図らなければならないのです。
ストーリーテリングを用いることで、商品の特徴やメリットだけではなく、相手の心情や感情にも訴えることができます。
つまり、ユーザーは利便性やデザイン性だけではなく、商品やサービスを購入することで得られる「体験」も手にできるといえます。
ストーリーテリングで有名なものはAppleの創業者でもあり、iPodやiPhoneを制作したスティーブ・ジョブズのスピーチでしょう。
彼は初代iPodを発表する際、「1,000曲をあなたのポケットに」という言葉を残しました。
本来であれば複数枚のCDやMDを持ち運ばなければならなかったものを、iPodひとつで解決できることを表現しています。
このキャッチコピーをはじめとして、高い利便性やデザインと相まってiPodは世界中でヒットしました。
このように、ストーリーテリングはユーザーの感情を揺さぶり、購買行動に移させる有効な手段だといえます。
ストーリーテリングの重要性
ストーリーテリングを利用することで、下記のような成果を得ることができます。
- 商品やサービスなどのイメージが伝わりやすくなる
- 商品やサービスを使うことにより得られるベネフィットの共感を呼ぶ
- 相手の記憶や印象に残すことができる
また、ビジネスにおいては交渉や商談を行うことがあり、その際にもストーリーテリングを用いることがあります。
「このような背景でサービスを提供している」「○○をすることで○○を得られる」といったうたい文句がストーリーテリングです。
ストーリーテリングを盛り込んだ話は相手に共感してもらいやすく、人間関係の構築にも役立ちます。
上記より、ストーリーテリングは店舗とユーザーの間に良好な関係を構築することができる手法といえます。
そのため、近年ではさまざまな企業や店舗がストーリーテリングを採用するようになりました。
同じ商品やサービスでも、ストーリーや背景が見えているものと見えないものでは、前者の方が購入率が高くなります。
購入率は収益に直結する重要な要素であることから、近年では多くの方が重視しています。
ストーリーテリングの実践方法
ストーリーテリングは、主に下記の「チャレンジプロット」「クリエイティビティプロット」「コネクションプロット」から選ばれます。
こちらでは、それぞれのプロットについて解説します。
チャレンジプロット
チャレンジプロットとは、弱者や挑戦者を主人公として、困難を乗り越えるようなストーリーを描くプロットとなります。
規模の小さいビジネスから巨大企業に立ち向かったり、ハンディキャップを克服したりといったことが挙げられます。
漫画やアニメなどにも採用されることが多いプロットなので、比較的身近に感じる方も多いのではないでしょうか?
クリエイティビティプロット
クリエイティビティプロットは発明家や創業者を主人公として、既存の常識にとらわれないストーリーを描くプロットです。
先述したスティーブ・ジョブズのプレゼンもこちらのクリエイティビティプロットに含まれているといえます。
こちらのプロットを盛り込むことで、自社の商品やサービスがいかに革新的なのかを伝えることができます。
コネクションプロット
コネクションプロットとは、人と人や、人と社会のつながりを軸に展開するストーリーのプロットです。
商品やサービスを購入することで、取り巻く環境にどのような影響を及ぼすのかをプレゼンすることができます。
近年ではSDGsやカーボンニュートラルなど、さまざまな取り組みにたずさわる企業が多くなったため、こちらのプロットが用いられるようになりました。
ストーリーテリングのメリット
ストーリーテリングを用いることで得られるメリットは、ユーザーに好印象を与えられる点です。
店頭の陳列棚に、商品のみのものとさまざまな情報が記載されているパッケージに梱包されているもので比較しましょう。
前者の場合は、良くいえば機能美、悪くいえば情報不足といえます。
明確に使い方が分かっているものであれば問題ありませんが、新商品の場合は購入率が大幅に下がるでしょう。
一方、パッケージにはストーリーテリングを含めてさまざまな情報が記載されています。
そのため、使うことによって得られる効果やメリットなどを知ることができるのです。
ストーリーテリングのデメリット
ストーリーテリングには収益に直結するメリットがありますが、同時にデメリットも存在します。
下記はストーリーテリングのデメリットといえるものであり、盛り込む際には注意しましょう。
- ユーザーが求めている体験を予想しなければならない
- 予想が外れた場合は訴求力や購入率が低下する
- 事前情報を得るために調査が必要
- ページ構成案立案や構築に時間と費用が掛かる
しかし、商品やサービスの開発段階でターゲットや得られるメリットなどは考えられているはずです。
ストーリーテリングはそれらを分かりやすく、明確にすることなので、特に大きなデメリットとはならないでしょう。
失敗した場合は再度データ収集や構成案の立案を行い、PDCAサイクルを回していけば良いのです。
まとめ|自社商品の良さを伝えよう
こちらの記事では、ストーリーテリングについて解説しました。
ストーリーテリングとは、物語によって伝えたい思いやコンセプトを印象付ける方法です。
ユーザーに好印象を与えられることから、近年では多くの企業がストーリーテリングを採用しています。
訴求力が弱いと感じたときは、ストーリーテリングを実践してみてはいかがでしょうか?